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特殊染色・免疫染色

各種染色

検査項目 検体採取量
(ml)
保存 検査方法 実施料
判断料
備考 所要日数
組織特殊染色   室温     病理診断、標本作製のみ該当する項目を依頼書に明記してください。染色の種類については「組織染色の種類」をご参照ください。 7~12
ヘリコバクターピロリー判定 胃の内視鏡的生検材料 室温 トルイジン青染色ギムザ染色免疫染色で光顕的判定   判定は胃生検に限ります。EMR・手術材料での判定は実施しておりません。病理検査依頼書の染色項目欄に染色名および判定の有無をご記入ください。(染色は別料金) 7~12
免疫組織化学染色   室温 エンビジョン法   病理診断、標本作製のみ該当する項目を依頼書に明記してください。染色の種類については「免疫組織化学染色」をご参照ください。 7~10
H&E染色標本作製   室温     追加染色依頼の場合 4~5
未染色標本作製   室温     追加依頼の場合 3~4
ER免疫組織染色   室温     ただし、同一月実施の場合には、一方の所定点数のみの算出になります。 小物
10~14
大物
18~22
PR免疫組織染色   室温     小物
10~14
大物
18~22
HER2タンパク免疫組織染色 浸潤性乳癌およびその転移材料のみ 室温     提出方法は「HER2タンパク免疫組織染色の提出方法」をご参照ください。 小物
10~14
大物
18~22

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組織染色の種類

目的 染色法 染色結果
結合組織 アザン染色 膠原線維、細網線維、腎糸球体基底膜 - 青色
筋組織、線維素 - 赤色
マッソン・トリクローム染色 膠原線維、細網線維、腎糸球体基底膜 - 青色
細胞質 - 淡赤色~紫赤色
赤血球 - 橙黄色~橙赤色
線維素、免疫タンパク - 赤色~赤橙色
粘液 - 青
細胞分泌顆粒 - 好塩基性 - 青色
          好酸性 - 赤色
核 - 黒褐色
エラスチカ・ワンギーソン染色 弾性線維 - 黒紫色
膠原線維 - 赤色
筋線維、細胞質 - 黄色
核 - 黒褐色
鍍銀染色 細網線維 - 黒色
膠原線維 - 赤紫色
核 - 黒色~えんじ色
細胞質 - 淡紫色
赤血球 - えんじ色~紫色
ビクトリア青染色 弾性線維、HBs抗原 - 青色
核 - 赤色
PAM染色 基底膜、細網線維 - 黒色
核 - 青藍色
線維素・神経膠線維 PTAH染色 神経膠線維、横紋筋内横紋、線維素、平滑筋線維
核 - 青藍色
結合線維、神経細胞 - 茶褐色
脂肪 ズダンIII染色 脂肪(中性脂肪) - 橙黄色~橙赤色
核 - 青藍色
オイル赤O染色 脂肪 - 赤色
核 - 青藍色
多糖類 PAS染色 グリコーゲン、粘液、真菌、アメーバ - 赤色~赤紫色
核 - 青藍色
消化PAS染色 α-アミラーゼにより、グリコーゲンは消化される
アルシアン青染色 酸性粘液多糖類 - 青色
核 - 赤色
アルシアン青・PAS重染色 酸性粘液多糖類 - 青色
中性粘液多糖類 - 赤色~赤紫色
核 - 青藍色
トルイジン青染色 酸性ムコ多糖類を含む粘液、肥満細胞の顆粒 - 赤~赤紫色
核、その他の組織 - 青色
コロイド鉄染色 酸性粘液多糖類 - 青色
核 - 赤
ムチカルミン染色 粘液、真菌 - 赤
核 - 青藍色
アミロイド コンゴー赤染色 アミロイド - 赤橙色(偏光にて緑色蛍光)
核 - 青藍色
ダイロン染色 アミロイド - 橙色~赤橙色(偏光にて緑色蛍光)
核 - 青藍色
内分泌細胞 グリメリウス染色 膵島A細胞、消化管好銀細胞、甲状腺傍濾胞細胞
カルチノイド、内分泌腫瘍細胞 - 茶色~黒褐色、核 - 赤色
メラニン色素 フォンタナ・マッソン染色 メラニン、消化管銀還元細胞 - 茶色~黒褐色、核 - 赤色
カルシウム コッサ染色 カルシウム塩 - 黒褐色
核 - 赤色
その他 - 赤色~淡赤色
ヘモジデリン ベルリン青染色 ヘモジデリン - 青色
核 - 赤色
中枢神経組織 ボディアン染色 神経原線維、軸索、樹状突起、神経終末 - 黒色~黒褐色
クリューバー・バレラ染色 髄鞘 - 鮮青色
ニッスル顆粒、核 - 赤紫色
組織内血液細胞 ギムザ染色 核 - 青紫色
核小体 - 紫色
好酸球顆粒 - 桃赤色
生体内病原体 グラム染色 グラム陽性菌 - 濃青色
グラム陰性菌 - 赤色
チ-ル・ネルゼン染色 抗酸菌 - 赤色
背景 - 淡青色
グロコット染色 真菌 - 黒褐色
背景 - 緑色
ワルチンスターリー スピロヘータ・ヘリコバクターピロリ 黒褐色
トルイジン青O染色 ヘリコバクタ-・ピロリ - 青色
ギムザ染色 ヘリコバクタ-・ピロリ - 紫色

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免疫組織化学染色

区分 抗体名 病理診断における意義
腫瘍マーカー CEA 大腸癌、肺癌、乳癌、肝癌、膵癌をはじめ、ほとんどの腺癌組織で陽性
CA125 卵巣漿液性のう胞腺癌、腺癌(一部)
CA19-9 消化管腫瘍(腺癌)、甲状腺髄様癌
c-kit(CD117) GIST
Carletinin 中皮腫、大腸癌(低分化腺癌)
上皮系 EMA 上皮性腫瘍、骨髄腫、ki-1リンパ腫
keratin(wide) 上皮性腫瘍、中皮腫
CAM5.2 低分子サイトケラチン(腺系上皮、神経内分泌上皮)
CKAE1/AE3 汎サイトケラチン抗体(高分子には反応しない)胆道系上皮陽性、肝細胞陰性
CK5/6 低分化型扁平上皮癌、上皮型中皮腫
CK7 重層扁平上皮、肝細胞、大腸上皮、一部前立腺上皮で陰性となるが、その他上皮細胞と血管内皮が陽性となる
CK20 大腸、胆管上皮、尿路上皮被蓋細胞、メルケル細胞
CK903(34BE12) 扁平上皮癌、前立腺基底細胞
筋系 α-SMA 平滑筋腫瘍、筋上皮を含む腫瘍
Desmin 横紋筋肉腫、平滑筋肉腫
Myoglobin 横紋筋肉腫、横紋筋への分化を示す腫瘍
HHF35 横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、グロームス腫瘍、MFH
間葉系 Vimentin 間葉系腫瘍(筋腫、神経膠腫含む)、中皮腫
神経系 GFAP 神経膠腫、上衣腫、網膜芽細胞腫
NSE 神経内分泌腫瘍、髄膜腫、Ewing肉腫
S-100 神経膠腫、神経鞘腫、黒色腫、褐色細胞腫など
chromogranin A 褐色細胞腫、神経内分泌腫瘍
Synaptophysin 神経内分泌腫瘍(産生ホルモンの種類によっては陰性)
Neurofilament 神経芽腫、褐色細胞腫、肺小細胞癌、カルチノイド
組織球系 CD68(kp-1) 組織球系腫瘍(MFHは陰性)、顆粒細胞腫
α1-AT 組織球等の免疫細胞など
α1-ACT 組織球等の免疫細胞など
血管・リンパ管系 CD31 血管内皮
CD34 血管腫、GIST、皮膚線維肉腫
FactorVIII 血管腫、血管肉腫、kaposi肉腫
Thrombomodulin 血管系腫瘍、髄膜腫、絨毛上皮癌、肺腺癌と中皮腫の鑑別
D2-40 リンパ管内皮
白血球系 LCA リンパ球全般、悪性リンパ腫
CD3 T細胞、NK細胞、T細胞性腫瘍
CD4 ヘルパーT細胞、マクロファージ、末梢性T細胞リンパ腫
CD5 T細胞
CD8 キラーT細胞、末梢性T細胞リンパ腫
CD10 胚中心B細胞、腸管上皮、Burkitt、濾胞性リンパ腫
CD15(Leu M1) 顆粒球、CMV感染細胞、ホジキン病、ki-1リンパ腫、腺癌
CD20(L-26) B細胞、B細胞性リンパ腫
CD21 リンパ濾胞の慮胞樹状細胞
CD30(ki-1) 活性化リンパ球、大食細胞、ホジキン病、ki-1リンパ腫
CD43(DFT-1) T細胞、T細胞性リンパ腫
CD45RO(UCHL-1) T細胞、T細胞性リンパ腫
CD57(Leu 7) ナチュラルキラー細胞、肺小細胞癌、褐色細胞腫
CD79α B細胞、形質細胞、B細胞性リンパ腫、多発性骨髄腫
Cyclin D1(bcl-1) マントル細胞リンパ腫
Granzyme-B 節外性NK/T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、未梢性T細胞リンパ腫
TIA-1 節外性NK/T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫など
内分泌系 HGM-45M1 ムチン
MUC-2 小腸、大腸の杯細胞
MUC-5AC 胃腺窩上皮細胞
MUC-6 胃幽門腺、噴門腺、Brunnor腺
CDX2 十二指腸から直腸までの粘膜上皮の核に発現
HIK1083
(M-GGMC-1)
副細胞、幽門腺細胞
Insulin 膵ラ氏島腫瘍の分類、糖尿病の診断
Glucagon
Somatostatin
甲状腺 Calcitonin 甲状腺髄様癌、神経内分泌細胞(C細胞など)、気管支カルチノイド
Thyroglobulin 甲状腺濾胞上皮、コロイド、甲状腺乳頭癌
前立腺 PSA 前立腺癌
PSAP 前立腺癌
P504S(AMACR) 前立腺癌、高度PIN
P63 基底細胞
下垂体 ACTH 下垂体前葉
TSH 下垂体前葉
hGH 下垂体前葉
FSH 下垂体前葉
婦人科・乳癌 ER 乳癌、子宮体癌
PgR
hCG 絨毛癌、肺大細胞癌、低分化移行上皮癌
E-cadherin 乳管癌と小葉癌の鑑別
HER 2/neu 浸潤性乳癌、乳癌転移部位
黒色腫 HMB-45 悪性黒色腫
Melan A 悪性黒色腫
AFP 肝細胞癌、ヨーク・サック腫瘍
Hepatocyte
(HepPer1)
肝細胞癌
免疫グロブリン IgG 形質細胞腫、IgA腎症、膜性腎症
Bリンパ球および形質細胞の同定
IgA
IgM
κ鎖
λ鎖
補体 C3c 補体の検出
C4
C1q
増殖細胞・細胞周期 ki-67(MIB-1) 増殖性細胞・腫瘍(悪性度に依存)
PCNA 増殖性細胞・腫瘍(悪性度に依存)
アポトーシス bcl-2 濾胞性リンパ腫、悪性度の高いB/T細胞性リンパ腫、ki-1リンパ腫
p53 腸上皮化生(一部)、悪性腫瘍の多く、異形成(モザイク状)
病原体 H・pylori H・pylori菌の有無
HBc HBc抗原腸性細胞の有無
HBs HBs抗原腸性細胞の有無
CMV サイトメガロウイルスの有無
HPV ヒトパピローマウイルス、乳頭腫
その他 WT-1 wilms腫瘍
TTF-1 肺小細胞癌、甲状腺乳頭癌
SP-A 肺腺癌
MPO granulocytic sarcoma
CD56(NCAM) 神経細胞、褐色細胞腫、神経内分泌腫瘍
Amyloid A AA型アミロイドーシス
EGFR 進行、再発の結腸癌・直腸癌
P component アミロイドの鑑別

※HER2/neuタンパクについて
1. 乳がんの場合
   ①検体はホルマリン固定のパラフィンブロック包埋。転移性乳がんの原発巣 または転移巣の腫瘍組織です。
      病期IV乳がんの原発巣 または転移巣の生検、手術標本。
      再発した転移性乳がんでは、過去に手術された上記標本もご提出ください。
   ②推奨固定液:10%中性緩衝ホルマリン
      推奨固定時間:48時間以内

2. 胃がんの場合
   ①検体はホルマリン固定のパラフィンブロック包埋。胃、または胃食道接合部の腺がんです。
   ②推奨固定液:10%中性緩衝ホルマリン
      推奨固定時間:手術検体18~24時間 生検6~8時間
   ③治癒切除不能な、進行・再発の胃がん患者に対して行う場合は保険点数を請求できます。

※EGFRタンパクについて
   ①検体はホルマリン固定のパラフィンブロック包埋。進行・再発の結腸・直腸がんの手術材料です。
   ②推奨固定液:10%中性緩衝ホルマリン
      推奨固定時間:24~48時間

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凍結検査

検査項目 検体採取量
(ml)
保存 検査方法 実施料
判断料
備考 所要日数
蛍光顕微鏡セット検査※1 新鮮凍結組織(10×10×5mm以下) 凍結 IgG、IgA、IgM、C3c、C4、C1q   組織の提出方法については「検査提出方法」をご参照ください。
・セットの6種類は単体での依頼はお受けいたしません。
・結果報告はプリント写真を診断医の判定結果とともに返却いたします。追加写真のご依頼は、有料となります。
15~21
脂肪染色検査 ホルマリン固定組織 室温 脂肪染色   組織の提出方法については「検体提出方法」をご参照ください。 7~10

※1 蛍光顕微鏡検査を依頼される場合セット検査は必須項目となります。

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蛍光抗体法染色

区分 検出抗原   適用部位
免疫グロブリンおよび補体 IgG メサンギウム
糸球体基底膜
皮膚表皮
糸球体腎炎、皮膚の免疫疾患の診断
IgA
IgM
C3c
C4
C1q

※新鮮凍結組織で提出 「検査提出方法」参照

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